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東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~ リリー・フランキー著

大勢の方が読まれたと思うが、僕も今日ようやく読むことができた。
映画、本を問わず何かの作品に触れて涙を流したのは、今回が初めてだった。 感動はするし、目頭は熱くなることもあったのだけど涙を流すには至らなかった。 リリー・フランキー、やってきよる。
僕は今24歳であるが、これくらいの年になってやっと家族に対して愛情がわいてきているような気がする。 そのように思う原因は何点かあり、
・年齢的成熟によるもの ・5年ほど一人暮らしをしている ・家庭状態がゴタゴタした ・祖父、祖母、伯母の体の具合が非常に悪い
が主なものである。 不謹慎なことを言うが、祖父母はそれなりに年だし、伯母の体調はすこぶる悪いので、あと10年も20年も一緒にいることはできないであろう。
また実家を離れているし、就職してからもほぼ間違いなく実家には帰らないため、あと何回親に会うことができるのだろうと思う。
そうするとできるだけ親孝行をしたいと思うし、家庭がゴタゴタしていたときは何とか力になれないものかと思っていた。
こんな風に考え方も変わってきたときに読んだので、いろいろイメージしてしまった。 また文中しようされている方言、今の彼女の言葉遣いに近いため(彼女は九州出身ではないのだが)読みながら彼女を想像してしまったことも否めない。 そんなこんなで涙が止まらなかった。
これから先も今までどおり、作品に接することで涙を流すことはほとんどない気がする。 そう考えるとこの本は非常に心に訴えかけるものがある素晴らしい1冊であると思う。リリーフランキーは当然、感動させてやろうと思って書いてないであろうが。
世の中のみんなはあのように思うのだろうか。 もしそうならまだまだ捨てたものじゃないと思う。
この前ウサギを蹴り殺した彼らは、家族に限らず、何かを大切に思うことがあるのだろうか。 園児を刺殺した人はどうなんだろう。 理屈では説明できないものを持っていることは非常に大事だと思うし、この本を読んで、泣かなくてもいいが、胸がキューっとなる感じになるのがあるべき姿なんじゃないかなぁ。
何かいろいろ考えてしまうが、この本は絶賛したい。
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200602181944 |